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希死意無ハウス

多分絵とかクソSSとか作る。

私達の行く先は天ではなかった。

第肆話 レンの場合・前編①

ねえねえ、どこかの誰かさん、聞いてほしいの!
そうそうそこのアナタよ!
わたしはレン! きゅ~とでぷりてぃ~な妖精さんなの!
ね、一瞬だからしっかり見ててね?
指をぱちんと鳴らせばあら不思議、あっという間にレモンが作られちゃう!
あ、これはお友達の証としてアナタにあげちゃうね、えへへ。
それでそれで、こっちの赤い三つ編みのかわいい妖精がストべちゃん!
イチゴの妖精なのにちょっと恥ずかしがりで意地悪で、なかなかイチゴをくれないの。
……妖精なのに変わってるよね?
それでもね、ストべちゃんはとっても優しいし、たまにくれるイチゴだって負けないくらいステキな味がするんだから!

そんなわたしたちは幼馴染なの。
気が付いた時からもう何百年も一緒に遊んでるのよ?
例えば~、鬼ごっことか、あとはかくれんぼとか。
もっとも、かくれんぼなんてしても妖精は妖精や能力持ちさんの位置がわかっちゃうからあんまり楽しくないんだけど。
ホントは一緒に下界に探検した方が楽しいと思ってるよ。
でもストべちゃんは下界に行くと拗ねてしばらく全然イチゴくれなくなっちゃうから……。
あっ、これはストべちゃんには秘密にしておいてね?
あとねぇ、ストべちゃんはわたしのレモンはあんまり得意じゃないみたい。
渡したら受け取ってくれるんだけど、食べたとき顔がほんとうに面白いんだから!
あのねあのね、すんごくすっぱ~い顔をしながら「こ、このくらい大丈夫よ……!」なんて強がっちゃうの!
だからね、わたしもちょっぴり意地悪しちゃう。
……いつもごめんね、ストべちゃん、えへっ。


レンの場合・前編①

2020/05/11 up
2022/07/16 修正

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